おりまーおりまーす。

生活支援員:僕の体の70%は「小島秀夫」でできている。映画について書きたいと思う。

虐殺器官っぽい「ジェノサイド」の話をしよう

ご機嫌いかがですか。

おりまーです。

 

2月末くらいにに読んだ本を紹介します。

高野和明さんの「ジェノサイド」です。

 

ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

 
ジェノサイド 下 (角川文庫)

ジェノサイド 下 (角川文庫)

 

 

あらすじ

アメリカの諜報機関がアフリカで新種の「生物」が発見された情報を得る。

これは世界のバランスを崩しかねない重大のものでその「生物」抹殺へと動き出す。

そこへアメリカの傭兵、日本の大学院生という一見無関係な二人が巻きこれていく。

二人とアメリカによる機密作戦が交錯し、全世界を巻き込んだ壮大な計画が実行されるのであった。

 

評価

★★★★☆

 

世界を股にかけるという言葉がふさわしい壮大な作品。

上下巻約400ページながら広げた風呂敷を見事に畳んでいる。

 

見どころ

  • 虐殺
  • 科学
  • 壮大

虐殺

タイトルが「ジェノサイド(虐殺)」なので虐殺に関する描写が多い。

一番怖いものは異星人や新種の生物よりも人間だなと感じる。

 

少年兵や様々な国籍、バックグラウンドを抱える傭兵が登場するので、どうしても伊藤計劃による「虐殺器官」を重ねあわせてしまう。

舞台を近未来からより今に近づけた虐殺器官ともいえる作品だ。

 

「虐殺」というキーワードに縁を感じる。

 

人類もとい生物の歴史は「虐殺」の歴史といえる。

 

科学(※ネタバレあり)

生物学、物理学、薬学の細かな描き方がすごい。というより追いつけない。

あとがきによれば取材開始が2005年で、連載開始が2010年なので5年弱ほど取材していることになる。

そのことにより緻密な世界観を構築して、壮大なエンターテイメントを現実味を帯びさせている。

 

新種の生物というのが、ゾンビとかウイルス系とかありがちなものかと思っていたら、まさかの知能が発達した新人類。

こいつのせいでアメリカの諜報機関はてんやわんやないなる。

話のつなげ方もこいつのお陰で丸く収まる。

全部こいつのお陰。

そしてまさかの新人類は2体いたとか度肝抜かれた。

 

そしてこの新人類の出現をに触れる論文が作中に出てくる。

この論文は人類滅亡への5つの可能性を示したものだがこれも作者による創作だそうだ。

もう驚きしかない。

 

壮大

舞台が日本、アフリカ、アメリカ。

世界を行ったり来たりするが、それが収束していくさまは気持ちいい。

マクロな世界観とミクロな視点のバランスが良い。

 

 

 

考察

メタルギアソリッド ピースウォーカー」の作者、「野島一人」ではないかと考えている。

文体や話の筋以外の舞台背景の作り方が似ている気がする。

 

ただ「ピースウォーカー」の作者説明には「蛇年の戦友」と書かれている。

高野和明さんは1964年生まれの辰年

 

思い違いだろうか…

 

まとめ

壮大な作品です。

科学的考証が作品のエンターテイメント性を裏打ちしている。

上下巻という構成に圧倒されてしまいそうだがオススメできる作品。

ぜひ読んでみよう。